201802241 研修部会文化委員会主催の異文化理解講座が開催されました。昨年度の「ドイツ」に続き、今回は南米「ペルー」です。(No.17-29)

開催日時:2018年2月24日(土) 14:00~15:30
場 所:あびこ市民プラザ 会議室1
講 師:アダニア・サクライ・グラディスさん(ペルー リマ市出身)
参加者:27名(含む、スタッフ3名:田淵、関口、荒井)

 講師のアダニアさんは、AIRAスペイン語サロンの講師でもあります。
 ペルーPeruは、日本から地球の裏側に位置する遠い国ですが、昔から日本人が移民として移り住んでいる親しみのある国です。今回は、マチュピチュMachu Picchu等の世界遺産、観光地、歴史、食文化等現地の生活をとおした内容のお話でした。
 周囲を太平洋とエクアドル、コロンビア、ブラジル、ボリビアの国に囲まれたペルーは、沿岸部の砂漠地域、アンデス山脈が連なる高地、アマゾン川流域と変化のある地形にあり、地域差は大きい。また、多民族国家で、使用言語はスペイン語を中心にケチュアQuechua語やアイマラAymara語も公用語です。同じスペイン語でも地域により話し方が早かったり、なまりがあったりで通じないこともある。
 正月には、日本の七福神巡りのように、7つの教会巡りが行われる。征服されたスペインによるキリスト教の他、先住民の伝統宗教も尊んでいる様です。
 じゃが芋papa peruana(ペルージャガイモ)の種類は豊富で、約3,000種類ある。色とりどりの色に中身も異なっている。じゃが芋はペルー料理には欠かせないもので、さまざまな料理に使い分けられて使われている。じゃが芋の原産国(紀元前8000年にチチカカ湖Lago Titicaca周辺で栽培)ペルーだけのことがあります。
 都心の(カプセル式)マンション型墓地の紹介では、土葬の伝統が残っているとはいえ、高いところの掃除はどうするのか?墓参りはどのようにするのか?など考えさせられます。
 世界遺産マチュピチュの紹介では、遺跡の紹介の他、飛騨高山の合掌造りに似た麦わら葺き屋根の建物や、鉄道建設や村最初のホテル開業など村の発展に貢献し、最初の村長になった福島県出身の日本人(野内与吉)の紹介がありました。
 チチカカ湖では、トトラtotoraと呼ばれる葦を多数重ね合わせた浮島に居住し、漁で生計を立て、捕った魚と肉・じゃが芋等と物々交換をして生活を営んでいる。
 その他、アステカAzteca、マヤMaya、インカInca各文明の違いや生け贄についての説明がありました。物価は安く、水40セント(約40円)、玉ねぎ1㎏ 70セント(約75円)、トマト1㎏ 1ドル(約106円)、じゃが芋1㎏ 70セント(約75円)。それに対し、マクドナルド(セット)は4ドル(約425円)、レストランでは9ドル(約955円)と高い。
 最後の質疑の時間では、先住民族の言語、生活などについて質問があり、文字を持たない民族や民族間の貧困格差から生じたテロのこと、インフレ率2,000%時の朝晩で異なる物の値段など、ペルー社会の話題に尽きませんでした。

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