202002221 AIRAでは、日本語を母語としない外国出身者を対象に、日本語教室を開催しています。日本語教室で日本語を指導しているボランティア講師や近隣で日本語を指導している講師を対象に、日本語の教え方スキルアップ講座を開催しました。(No.19-28)
日 時:2020年2月22日(土) 14:00~16:30
場 所:あびこ市民プラザ 多目的ホール
講 師:中井延美(明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部准教授)
参加者:33名(AIRA22名、市外11名《取手4、柏4、つくばみらい2、守谷1》
 近年の来日外国人の増加や外国人労働者の増加に伴い外国出身者への日本語教育のニーズが高まり、日本語講師の需要が増えています。他方、日本語を正しく、わかりやすく指導する取り組みが進められています。
 この度、AIRAでは中井延美さんをお招きし、レベルアップ講座を開催しました。
 中井さんは、言語学を専門に各地で日本語ボランティア講座を担当、日本語学習の支援を行うなど幅広く活躍しています。
 会は、油野さんの進行で、AIRAへさき会長、主催者代表の山崎さんの挨拶に続き始まりました。
 内容は、「形容詞・助詞・発音」の教え方についてです。例を挙げ、参加者に問いかけながら説明し、理解を図っていました。
1 形容詞
 「にぎやかの店」「休みの店」「安いない」「おいしいない」等誤用が少なくない。「消す」ことを教える(例:寒いない⇒寒くない。“い”を消して“く”を入れる)。「消える」ことを教える(例:にぎやかな店⇒にぎやかではない店。“な”が消える)。形容詞のこの仕組みを説明するときは、表示して視覚的に提示することが教え方のポイント。
2 助詞
 助詞の使い方には紛らわしい使い方がある。紛らわしい用法を取り上げて、使い方を教える。「は・が」「に・と」「に・で」「へ・に」等の使い方の違いには、少し考え、意味の違いのあることを“味わう”(理解する)。
3 発音
 母語で話す時発音には意識することはない。日本語の母音(アイウエオ)、子音の発音の時の特徴(舌・唇・歯・口蓋など)を意識して、正しい発音をして自分で意識することが大切。外国人は発音を高低や強弱によるアクセントをつけて発音したり、長く延ばす人がいる。発音させて比較させ、違いを判らせる。また、四角い桝に言葉を入れ視覚で確認させる。中国やベトナム人を例に説明していました。
 
 質疑では、「小さい・小さな」や「~と会う・~に会う」の違い、などについて質問があり、それぞれの意味の違いについて解説されました。
 締めくくりに中井さんは、ボランティア講師の心がけとして、学習者からの質問にその場の思い付きでは答えない。初めに刷り込まれた事は治らない、と経験を踏まえて話されました。
 今回のスキルアップ講座は、基本的な事でしたが、私たちが何気なく用いている言葉の使い方を今一度考えさせられるもので、有意義なものでした。
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