「第25回あびこ国際交流まつり」が開催されました
外国人が暮らしやすいまちになるように、外国人と市民の交流を図る我孫子市と共催の「第25回あびこ国際交流まつり」が、11月の最後の日曜日にあびこ市民プラザで開催されました。ホールでの演技、ギャラリーでの各国ブースでの民芸品や食べ物の販売など、その他ロビーでのお茶席、着物体験など、あびこ市民プラザ全館を使用して賑やかに行われました。 (№16-23)
開催日:2016年11月27日(日) 11:00~16:00
会 場:あびこ市民プラザ (あびこショッピングプラザ 3階)
司会・進行:早坂 満(AIRA交流部会長)、Ms.ピョー・ティ・チョー(ミャンマー)
今年は、AIRAが1992年11月21日に設立されて25周年に当たることから、「異文化交流の輪―25年目の感謝を込めて」をテーマに開催されました。
例年より冬の訪れが早く、当日は曇天の寒い日でした。まつりの開演に先立ち、12時から1階のあびこショッピングプラザ入り口で、フィリピン出身者により構成されているグループ「カリニョウサ・ガールス」によるフィリピンの「カリニョーサ」の踊りや「ティニクリン」の踊りが披露されました。「カリニョウサ・ガールス」のメンバーは、我孫子を始め近隣の日本語教室(柏・草加・我孫子)で知りあったフィリピン出身のママたちのグループで、母国をPR するためにフィリピン料理の紹介やダンスを行っています。
Cariñosa(カリニョーサ)の踊りは、スペイン統治時代から親しまれてきたフォークダンスで、スペインの音楽やダンスの影響を色濃く受けた踊りで、扇子を持って踊る独特のフォークダンスです。
Tinikling(ティニクリン)の踊りは、2本の竹の棒を使ったいわゆる「バンブーダンス」で、稲作農民が作った竹製の罠や木の枝をピョンピョンと身軽に飛び回る鳥の様に、二本の竹の間や側を踊っていました。
メンバーが踊った後に、バンブーダンスを観客の子ども達などが参加し、上手に踊っていました。
1 ホールでの演技
あびこ国際交流まつりは、10時からお茶席と着物の着付けが、11時からギャラリーで始まりましたが、ホールでは、今年は当協会の25周年記念式典がホールで開催されたため、13:40からの開始となりました。
司会の早坂 満さんとMs.ピョー・ティ・チョーの開会の辞でまつりが始まりました。
ホールで行われた出し物は、次のとおりです。
ⅰ カッパダンスキッズによるヒップホップダンス
カッパダンスキッズは、あびこカッパまつりで河童音頭をHIPHOP風にアレンジした曲で踊るグループで、近隣のイベントにも参加して盛り上げているSPARKLE-KIZとワンダーサーカスの2グループです。幼児から中学生までの50名程の子ども達が、時にかわいく愛らしく、時にリズミカルに激しい動きで、あびかちゃんのマスコットも加わり会場狭しと踊っていました。満員の場内は熱気であふれ、十分楽しませてくれました。
ⅱ ベル・クレイン・リンガールズによるハンドベルの演奏
ベル・クレイン・リンガールズは、川村学園女子大学生のグループで、イタリアでの演奏を始め、帝国ホテル、幕張メッセや地元の幼稚園、介護施設等様々な場所で演奏活動をしています。この日も、平和台病院での演奏を終え駆けつけました。
ハンドベルは、「天使の声」とも称される美しく澄んだ音色です。一人でいくつかのハンドベルを担当し、演奏者全員の心が一つになって、高音・低音や緩急をつけた変化があり、時には力強く奏でていました。リズミカルに奏でる音は場内に響き渡り、感動そのものです。最後の曲は先生の指揮の下に演奏しました。
演奏曲は、 「カントリー・ロード」「となりのトトロ」「さんぽ」「カノン」「オペラ座の怪人」「ロンド・パッサカリア」です。
ⅲ 台湾の民族舞踊
台湾出身の游 愛詅さんをリーダーに、孫 暁格(中国)、植木まりな(フィリピン)、ニョウ(ベトナム)からなるグループによる阿美族が豊年まつりで踊る踊りです。阿美族は母系社会で、明るく朗らかで親しみがある民族で、踊りは、軽快で楽しい踊りです。
曲「阿美恰恰qia qia」は、日本の"星降る街角"の曲のリズムで踊り、優美な踊る姿を演じています。また、「阿美三鳳」の曲の内容は、女の子が出征する恋人を港で見送りする時の心情を歌ったものですが、踊りはリズミカルで明るく楽しい印象を感じさせるものでした。これは阿美族の明るい性格の表れでしょうか。
ⅳ 日本語教室の生徒の発表
(1) 土曜日クラスは、着物や民族服で着飾って登場し、舞台で「世界の国からこんにちは」の歌を合唱しました。その後生徒の出身国(韓国、台湾、中国、ベトナム、フィリピン、インド、カナダ、パキスタン、フランス、インドネシア)の10か国の言葉で「こんにちは」の紹介がありました。海外に出かける時には最低限マスターしたい言葉の一つです。
(2) 火曜日クラスは、「国あてクイズ どこの国からやってきたの?」と題し、出身国の衣装を身にまとったり、その国の国旗と品物を示して出題しました。中国、カナダ、エジプト、インドネシア、ウズベキスタン、ブータンの6か国で、難題なものもありました。日本の事を知ってもらうには、相手の国の事も知る必要があります。
ⅴ 外国語講座生の発表
(1) フランス語講座生の発表は、生徒の松本さんのピアノ伴奏でシャンソン「パリの空の下」を合唱しました。AIRA25周年記念式典に続く最初の発表となり、落ち着いた軽快なメロディは、式典とまつりをつなぐのにふさわしいものでした。
(2) 中国語孫勉先生クラスの講座生の発表は、テレサテンが歌った曲「月亮代表我的心」を、スクリーンに生徒が撮影した中国の街並みを映しながら、合唱しました。その後、「中国語クイズ」として日本企業や製品の名前を当てる(正解者に景品付き)出題をしました。可果美(カゴメ)、龟甲万(キッコーマン)、优衣库(ユニクロ)、星巴克(スターバックス)、全家便利商店(ファミリーマート)、格力高(グリコ)、麦当劳(マクドナルド)、尼桑汽车(日産自動車)などです。日本とは異なり、カタカナのない中国では外来語の表示は楽しそうです。旅行で訪れた時には確認してください。
(3) 韓国語金芝男先生クラスの講座生の発表は、チマチョゴリ姿の生徒や韓国からの留学生の飛び入りあったりして、韓国ムードに染まりながら、生徒の牛窪さんのピアノ演奏で、「ドンム(友達)」 「上を向いて歩こう」(韓国語)の曲を合唱しました。
2 ギャラリーでの出店など
ⅰ 各国ブース
一方、会場のギャラリーでは、韓国、ドイツ、アメリカ、中国、フランス、コロンビアのブースが開かれ、それぞれの国の民芸品や食べ物などの販売がありました。11時のオープンを待たず、場内は人であふれていました。品物は、市内在住外国人の方々が帰国したときに仕入れてきたものなど、珍しい物もあり、また、外国出身者で我孫子近辺で店を開いている方からの低廉な価格での提供もあり、各ブース前に人が群がっていました。コーヒーやお茶の提供もあり、同郷の人たちで現地語で話す姿も見られ、国際色豊かな一面もありました。
ⅱ キッズコーナー
川村学園女子大学幼児教育学科の3人の学生により、折り紙、塗り絵などで、子ども連れ来場者の幼児のお世話をしていました。今年は例年より多くの幼児が来てにぎわっていました。
ⅲ 似顔絵コーナー
また、キッズコーナーの隣では、今年初めて似顔絵コーナー(有料)が開かれ、希望者の似顔絵を描いていました。一回2人以内でしたが、子ども連れには親子3人の顔を描いていました。描き上げるのに20~30分要しますが、描きあがったのを見て、皆さん満足していました。
その他、会場入口には、「アホウドリ饅頭の販売」が行われています。これは、絶滅危惧種に指定されているアホウドリを、市内の山階鳥類研究所が長年保護・復活活動を続け、現在は小笠原を新しい繁殖地とするために活動しています。AIRAではこの活動を支援するため、アホウドリ饅頭を製造委託し、販売した収益金を寄付しています。今年も皆さんのご協力により完売しました。
3 お茶席
ロビーでは、10時過ぎからお茶席が始められていました。表千家岡田宗由先生のお茶席は、始まるとともに来場者であふれていました。お茶のお運びに、岡田先生が市内の中学校で指導している学生4人がお手伝いに来て活躍していました。
4 着物の着付け
事前申し込みですが、外国人の方が着物の体験ができます。今年も33名の参加申し込みがありました。田口慶子先生を始め、社中の方が2人1組となり、来場した25名(女性19名、男性6名)の方に着付けをしていました。着物を着用した外国人の方は、会場内や入口の生け花を背景に写真撮影をしていました。
入り口前にある岩井春幸先生の生け花は、大八車の車輪を用いて生け花を配置するという構図で、生け花を背景に着物姿の外国人が一段と映えていました。
5 閉会と抽選会
へさき実行委員長の「6月から準備を始め、多くの人の協力を得てまつりが開催でき、予定どおり終えることが出来ました」の謝辞と閉会の辞に続き、お楽しみ抽選会が始まりました。
景品は賛助会員の山階鳥類研究所、中央学院大学、NEC、我孫子市役所、鳥の博物館や会員のティエリさんからの提供品などで、入手困難なレアものもありました。
なお、今回の入場者は、まつりの前に行われました「25周年記念式典」と合わせ、1,055人になり、AIRAまつりのレコードを更新しました。