東京 2020オリンピック開催に伴い、スロベニア共和国代表チームの女子柔道チーム及び男子テコンドーチームの事前キャンプが行われました。また、試合を終えた女子柔道チームと市内で柔道に励む青少年との交流会が開催されました。
AIRAでは、通訳を派遣し事前キャンプ中の選手一行の生活面を中心に支援等を行いました。(N0.21-8)
事前キャンプ期間及び人数:
《女子柔道チーム:2021年7月14日(水)~7月20日(火)》
マルーシャ・スタンガーMs.Marusa Stangar選手 他2名
《男子テコンドーチーム:7月17日(土)~7月21日(水)》
イヴァン・コンラド・トライコビッチMr.Ivan Konrad Trajkovics選手 他3名
交流会:2021年7月25日(日) 14:00~16:10 体育館サブアリーナ
《出席者》
スロベニア共和国(女子柔道チーム 3名)
我孫子市(星野市長、澤田市議、山部佳苗<リオ・オリンピック78㎏級銅メダル>、他)
市内クラブ(中央学院高校柔道部、我孫子警察少年柔道クラブ、隆道館、星野道場、我孫子中学柔道部)
AIRAの派遣通訳:へさき康彦<ボランティア部会長>、大﨑博、倉田倫子、小山仁美、猿渡浩、中島克己、濱理恵
2021年5月24日(月)、我孫子市はスロベニア共和国駐日大使と事前キャンプ受け入れの覚書を結びました。その後受け入れ準備が進められ、7月10日(土)我孫子市からAIRAに対し事前キャンプのスケジュールや各担当者の役割について説明会が開催され、担当する通訳達が参加しました。
選手一行に対しては、市役所職員を中心に、千葉県職員、AIRA、スポーツ推進員などの担当者・役割が時間別・場所別に定められています。
AIRAの担当する内容は通訳ですが、羽田空港到着時の出迎えと市内ホテルまでの移動、トレーニング実施時のホテルから会場(市民体育館武道場等)への移動、トレーニング中、市内ホテルから選手村への移動及び市民との交流会での通訳です。
【女子柔道チームのトレーニング】
7月15日(木)、昨夜羽田空港に到着した一行は、午前中は近くの公園(柴崎台中央公園)でジョギングなどで体をほぐす軽い運動を行い、時差調整を行いました。通訳の濱さんは、朝から一行が宿泊しているホテルに行き一日通訳を担当しました。午後には練習会場の市民体育館武道場に向かいます。
選手一行が武道場に到着すると、体育館職員や体育館に来ていた市民の歓迎を受けました。オリンピックの公式映像の撮影隊は、午前中に引き続き来て撮影をしていました。
練習に先立ち、武道場内で「歓迎動画」の映像が放映されました。映像には、市内の子ども達のクラブや中学生・高校生のクラブによる柔道・空手・ブラスバンド演奏・踊り・チアダンス・和太鼓・カリグラフィなどで、趣向を凝らした歓迎の意を表していました。選手一行は歓迎動画に感激し、参加した子ども達・学生に感謝を述べていました。
練習は体をほぐす軽い動作から始め、体をぶつけあったりして、徐々に本番さながらの技をかけるなどレベルを上げていきました。
7月20日(火)朝、選手一行は、事前キャンプを打ち上げオリンピック選手村へ向かいました。
【男子テコンドーチームのトレーニング】
7月18日(日)、昨日午後羽田空港から市内のホテルに到着しました。この日はトレーニング2日目になり、午前中は武道場での練習です。足を使う競技なので、一行は4人でミニサッカーのボール遊び?の様な準備体操からはじめ、防具をつけたコーチと蹴りの打ち合いをしていました。場内は、音楽が聞こえ笑い声がしたりリラックスした様子もありましたが、コーチや監督の声が飛び交ったり、ミットに当たる激しい音が場内に響き渡るなど本番さながらの戦いの様な場面もありました。夕方は、ゆうゆう公園のサッカー場で、風が吹き強い日差しが射す中で、一行はボール遊び?の様なミニサッカーを繰り返し行い汗を流していました。
【市民との交流会】
7月25日(日)、女子柔道チームは帰国に先立ち、我孫子市を訪れ、市民体育館サブアリーナで開催された交流会に出席しました。
交流会には、市内で柔道に励む5団体24名の子ども達が出席しました。子ども達の実践練習が始まると、選手一行は練習の中に入り、コロナ禍で直接触れることは出来ませんが、寝技や組手などについてアドバイスをしたり、“good good”と声をかけたりして見て回っていました。子ども達には、「毎日継続して練習することが大切です」「柔道を好きになること」「試合は時間に限りがある。力いっぱい頑張ること」などと励ましていました。
子ども達からの質疑に対して、
Q:体重を保つために気をつけていることは? ⇒ A:普段は気に掛けないが、コントロール出来るといい。
Q:練習の時に気を配っていることは? ⇒ A:その日のベストを尽くすこと。
Q:気持ちを高める方法は? ⇒ A:毎日をポジティブに考える。何故柔道をやっているかを考えれば、エネルギーがわいてくる。柔道を好きになり楽しむ事が重要
など、丁寧に受け答えしていました。
コロナ禍での東京2020オリンピックの開催で、出場選手・市民に様々な制約が課せられました。事前キャンプ受け入れに携わり接触する人は、コロナウイルスの感染を防ぐために毎日スクーリング検査をし陰性である必要があります。選手一行には会食や行動の自粛が求められていました。通訳担当者も接触者に該当し検査等を受けました。選手がコロナウイルスに感染せずにオリンピックの試合に出場できたことで、関係者は一安心しました。
選手のやさしい人柄、穏やかな性格、強い信念、真摯な取り組み姿勢などオリンピック出場選手に接し、得られたものは計り知れないものがあります。
「困難な時に支援してもらい、感謝しています。いつかまた訪れて交流したい」(マルーシャ・スタンガー選手)。