AIRA日本語教室でボランティア講師を務めている人を対象に、日本語の教え方のレベルアップを目的にした講座が開催されました。(No.21-10)
日 時:2021年9月18日(土)13:00~15:10
場 所:オンライン (zoom)
講 師:西川寛之氏 (明海大学外国語学部准教授)
専門:日本語学、日本語教育
テーマ:「進度と年間スケジュールを考えるための1回の授業イメージ
~オンラインの今だからできること~」
参加者:ボランティア講師27名
AIRAでは、市内在住等の外国出身者を対象に、1993年から「外国人のための日本語教室」を開いています。現在は、毎週2回(火曜日及び土曜日)、約30名のボランティア講師が担当しています。昨2020年春からの新型コロナウイルス感染拡大防止の為、日本語教室は「対面式」からZoomによるオンライン方式で開催しています。
オンラインによる日本語教室は、今年度2年目になりました。レベルアップ講座は、昨年度「オンラインでの日本語授業の進め方(基礎編)」として、Zoomを用いた講座を開催しました。今年度はこの講座の続編と言えます。
火曜日研修係の後藤(和)さんの進行で、へさきボランティア部会長の開講挨拶に続き、西川講師の授業が始まりました。
西川講師は、昔日本語教室で学ぶ外国人が「学ぶこと」と「実生活で使うこと」との間に違和感を感じ、日本語の教え方を研究してきました。
授業の内容は、次のとおりです。
1 目標(ゴール)と道のり(時間)
日本語検定試験に合格するための学習時間は、N5(150時間~)、N4(300時間~)、N3(450時間~)・・と言われています。ボランティア教室では1回2時間の学習時間として、例えばN4合格には3年以上かかる。「その日の授業で何を学び、何が出来る様になるかを考える必要がある」と、西川講師は、1回の授業のやり方として「ユニット型授業」を提案しました。
これは、日本語教室が地域密着型であることを活かして、学習者の体験とテキストをリンクさせて学習するものです。学習者の身近な生活情報(バーゲン情報、やさしい病院、テイクアウトの仕方など)を写真や動画を用いて取り上げ、“おしゃべり”しながら進める。その為には準備として写真などの「教材」を事前に作成しておく必要がある。また、学習者がいつでも・どこでも学習できるようにこの教材がネットを通して見られると尚いい。
2 オンラインでできること
オンライン学習では、言葉による説明のほか、視覚・音声が活用することが出来る。学習者が撮影した写真・動画で、例えば、買い物をする文章に一言生活情報(この店は安い、場所はどこ など)を添えて写真等を用いて説明すると、学習者は写真に写っている背景などについてコメントするなど、双方向の会話をすることが出来、学習への興味が深まる。更に、ネット上にこの教材を保存しておけば、学習者は日時の制約がなくいつでも自律的に学習が可能である。
なお、ボランティア講師は写真撮影など事前に教材を作成し、ストックしておけば、教室で学習者の学びたいことを教材の中から選び行うことができる。
これからの教材は、AIRAのHP等にストックしておくと良い。